料理撮影のための三脚&雲台の選び方

カメラ機材

前回、料理の撮影で三脚を使うか使わないかというテーマで解説いたしました。 

今回は、三脚を使う場合にどのような三脚を使うと良いのか、 

また、三脚とともに重要な雲台についてご説明いたします。 

料理撮影のための三脚の選び方 

まず初めに料理撮影で使う三脚についてご説明いたします。

ミラーレスカメラとズームレンズ(28mm〜100mm程度)という、一般的な組み合わせで使用する場合に三脚を選びたいと思います。

レンズとカメラの組み合わせで1kg程度を想定しています。

三脚選びでチェックすべきポイント

1.高さ

三脚にはさまざまな高さのものがあります。

低いものだと1mくらい、高いものだと3m以上のものもあります。一般的には成人が立っている状態でカメラのファインダーをのぞくのにちょうどいい130~170cm程度のものが多いように思います。

しかし、料理撮影ではテーブルの上の料理を斜俯瞰や俯瞰で撮影することが多いので、130cm程度の三脚だと高さが足りなくなる可能性があります。斜俯瞰撮影では最低でも160cmくらいあると良いでしょう。

ただし、小皿1品では足りていても、大皿やコース料理では160cmでは高さが足りなくなることが予想されます。

特に俯瞰撮影では、テーブルから50cmから100cmくらいの高さになるため、最低でも170cm以上の高さの三脚が必要になります。

俯瞰撮影で大皿やコース料理撮影をしたいのであれば、それ以上の高さの三脚をおすすめします。

また、三脚を選ぶ時には高さだけではなく、どれだけ低くできるかも合わせて考えましょう。

カメラが地上から20cmくらいの位置まで下げられれば、ほとんどの撮影に対応できます。

エレベーターの下側に雲台とカメラを逆さにつけて下げることができればOKです。

2.耐荷重

三脚の耐荷重はカメラとレンズの重さの3倍以上あると安心です。

耐荷重の基準はメーカーによって異なるので、カメラとレンズの重さギリギリでは不安があります。

三脚を安定させるために、ウエイトを掛けることも考慮して余裕のある耐荷重の三脚を選びます。

3.脚の径(太さ)

三脚の最も太い部分の脚の径(太さ)は耐荷重にも影響します。

料理撮影では28mm〜32mmくらいの脚径があれば十分です。

4.重量

最近の三脚はカーボン製のものが多くなってきており、以前からあるアルミ製と比べてかなり軽くなっており、持ち運びがしやすくなっています。

しかし、軽い三脚は持ち運びには良いのですが、安定性という点では重さのある三脚に劣ります。

特に俯瞰撮影などでカメラを高い位置に突き出して固定するような場合にはとても不安定になるため、軽い三脚では転倒の危険性があります。

軽い三脚を使う場合にはウェイトバッグなどを組み合わせて使うことで転倒などの事故を防ぐことができます。

また、以前からあるアルミ製の重い三脚は持ち運びが大変ですが、安定性には優れています。

5.素材

重量のところでも触れましたが、三脚の素材としてはアルミとカーボンが主流です。

アルミはカーボンと比べて重く、持ち運びには適していませんが、重い分安定しています。

カーボンは軽く持ち運びやすく、剛性も高いので、カメラの揺れなどもありません。

しかし、高い位置にカメラをセットするときには軽い分不安定になりやすいので、ウェイトなどを使って安定させる必要があります。

アルミよりもカーボンの方が価格が高くなります。

6.ロック方式

三脚には脚の高さを変えたときのロック方式として、スクリューロック式とレバーロック式があります。

どちらが特に使いやすいといったことはないと思いますので、お好みで選べばよいと思いますが、強いて言えばスクリューロック式の方が三脚の凹凸が少なく、畳んだ時にコンパクトな感じがします。

レバーロックは使用しているうちにロックが甘くなってきますので、時々調整する必要があります。スクリューロックも甘くなってきますが、締め込みを多くすればロックされます。ただし、どんなに締め込んでもロックが甘くなってきたら修理が必要です。

それと、レバーロックの場合にはロックされているかどうかは見た目でわかりますが、スクリューロックの場合にはロックの甘さが見た目で判断できません。脚の高さを変えたときなどはロックの後に再度きちんとロックされているか確認することが重要です。

ロックが甘いと俯瞰などでファインダーをのぞくために体を乗り出したとき、三脚の脚が下がって転倒・落下してしまうことがあり、大変危険です。

7.エレベーター

三脚にはエレベーターのあるものとないものがあります。

エレベーター無しでも料理撮影はできますが、あった方が使いやすいと思います。

エレベーターにはギア式とスクリューロック式があります。

ギア式は大型三脚に多く採用されており、重いカメラも安全に上下できます。

スクリューロック式はロックを緩めてから手動で上下します。

ギア式は重く大きくなりがちですが、スクリューロック式はコンパクトで軽くなります。

8.俯瞰撮影用アーム

料理の俯瞰撮影をするためには、俯瞰撮影用のアームを使うことをおすすめします。

エレベーターがそのまま俯瞰撮影用アームになるタイプの三脚もあるので、俯瞰を行う予定があれば、そのような三脚をよんでもよいと思います。

普通の三脚でも、俯瞰撮影用アームを取り付ければ俯瞰撮影をできます。

俯瞰撮影用アームを使えば、三脚は自由に選べるので、私は俯瞰撮影用アームを別に用意しています。

俯瞰撮影用アームを取り付けた三脚での撮影はバランスを崩しやすいので、三脚の重さや脚の方向に注意が必要です。

俯瞰撮影用アームの使用時には転倒を防ぐために、ウエイトを併用することをおすすめします。

料理撮影のための雲台の選び方 

次に三脚とともに使う雲台についてご説明します。

こちらもミラーレスカメラとズームレンズ(28mm〜100mm程度)という、一般的な組み合わせで使用する場合を想定しています。

雲台の種類

雲台には大きく分けて3つの種類があります。

自由(ボールヘッド)雲台、3WAY(スリーウェイ)雲台、そしてもう一つが2WAY(ツーウェイ)雲台です。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

自由(ボールヘッド)雲台

金属のボールの上にカメラを載せられるようになっているもので、基本的にロック一つで全方向に自由に動かせる雲台です。

回転のロックが別になっているものもありますが、メインのロックは自由な動きをします。

自由雲台は比較的コンパクトなので、荷物をコンパクトにしたい場合や、動きのある被写体で三脚を使いたい時などに向いています。

ただし、少しだけアングルを下にしたいとか、左に振りたいといった時に正確に動かすことが難しいため、私の場合には料理の撮影ではあまり使いません。

3WAY(スリーウエイ)雲台

左右方向への傾け、上下方向の傾け、水平方向の回転を個別に動かすことができる雲台です。

上下は動かさず、少しだけ右に回転し、左右には動かさず、少しだけ上下に回転するなどの微細な動きができるので、料理撮影に向いています。

3WAY(スリーウェイ)雲台には、さらに微細な動きが可能なギア雲台があり、ミリ単位でカメラ位置を調整することができます。

2WAY(ツーウェイ)雲台

水平は三脚で取ったうえで左右と上下の動きだけをするための雲台です。

主に動画撮影に使用する雲台なので、写真撮影にはあまり使いません。

以上のチェックするべきポイントを考慮して料理撮影のための三脚と雲台を選んでいきます。

まとめ

三脚と雲台を選ぶ際には何を撮るのか?どのように使うのか?を明確にすると選びやすいと思います。

料理の撮影をする場合の三脚は、

  1. 高さ ——————– 最高地上高170cm以上、最低地上高20cmくらい
  2. 耐荷重 ——————- カメラとレンズをあわせた重さの3倍以上
  3. 脚径 ——————— 28mm〜32mmくらい
  4. 重量 ——————— 特に決まりはないが軽すぎると安定性に欠ける可能性がある
  5. 材質 ——————— カーボン(軽い、高剛性、高価)アルミ(重い、安価)どちらも長所と欠点がある
  6. ロックの方式 ———— レバーロック(ロックが目視できる)、スクリューロック(出っ張りがなく、持ち運びやすい)
  7. エレベーター ———— スクリューロック(軽い)、ギア式(精密な上げ下ろし)
  8. 俯瞰アーム ————— 俯瞰撮影をするためには必要

これらのポイントをチェックして選びます。

料理の撮影をする場合の雲台は

  1. 自由雲台か、3WAY雲台か?料理撮影では3WAY 雲台がおすすめ、3WAYにはギア式のものもある
  2. 耐荷重がカメラとレンズをあわせた3倍以上のもの

これらのポイントをチェックして選びます。

料料理撮影では、三脚はなくても撮影はできますが、あればより自由な撮影を行うことができ、クオリティも上がるので撮影時間やスペースに余裕がある時には使用することをおすすめします!

以上、ご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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