料理写真で三脚を使う?使わない?

カメラ機材

あなたは三脚を使う派ですか?使わない派ですか?

フードフォトの撮影でも三脚を使うフォトグラファーと使わないフォトグラファーがいます。

では、どうして三脚を使う派と使わない派がいるのでしょうか?

それにはいくつかの理由があります。

今回は三脚を使う、使わないそれぞれの理由について考えていきたいと思います。三脚を使わずに撮影するメリットとデメリッ

三脚を使わずにカメラを手持ちで撮影するメリットとデメリット

カメラを手持ちで撮影することのメリット

まずはじめにカメラを手持ちで撮影することのメリットについて考えてみましょう。

1.狭いところでも撮影できる

三脚は足を広げるとかなりのスペースを使います。特に俯瞰など高い位置までカメラを上げると、かなり三脚の脚が必要とするスペースは大きくなります。

狭いスペースでの撮影では三脚を立てると脚が邪魔になって作業がしづらかったり、そもそも立てることができないこともあります。

そのような時には、三脚を使わずに撮影を行うこともよくあります。

2.すぐに撮影を始められる

三脚を立てて撮影するには、三脚を立てて、カメラを載せて、アングルを合わせてといった手順が必要になります。

三脚を使わなければカメラを構えてすぐに撮影を始められます。

特にカットごとに場所を移動したり、アングルを変えたりといったことが必要な時には三脚の用意が時間のロスになってしまいます。

少ない時間の中で、たくさんのカットを移動しながら撮影するような時には三脚を使わない方が良い場合もあります。  

3.撮影アングルやフレーミングを素早く変更できる

先程のメリットとも重なる部分がありますが、撮影中にアングルやフレーミングを素早く、自由に変更できるのも三脚を使わない場合のメリットです。

三脚を使っているとアングルやフレーミングを変えるには手間と時間がかかるため、頻繁な変更は撮影効率が落ち、時間通りに撮影が進まない恐れがあります。

しかし、手持ちでの撮影では撮影中にいくらでもアングルやフレーミングを変えられるので、途中でバリエーションなどを撮ることが容易にできます。

カメラを手持ちで撮影することのデメリット

それでは次にカメラを手持ちで撮影することのデメリットについても考えてみます。

複数の料理を同じアングル、同じフレーミングで撮影することが難しい

メニュー撮影のようにたくさんの料理を同じアングルやフレーミングで撮影する時、カメラの手持ち撮影では同じに見えても少しずつズレてきます。

俯瞰の撮影が多い時には大変!

俯瞰撮影も1カット程度であれば、手持ち撮影でも特に大変ではありませんが、俯瞰撮影が多いときにはカメラの手持ち撮影は大変です。

特に、脚立などに上がって高い位置で撮影しなければならない時などには三脚で固定したほうが撮影は楽になります。

厳密なライティングや仕掛けがしづらい

カメラ位置が少しでも違うと光の写り込み加減が変わってしまうため、料理や仕掛けがバレてしまう場合などには三脚での固定が必要なことがあります。

手ブレしやすい

ストロボを使わずに自然光や環境光などを使って撮影する時、暗めの光の撮影では手ブレを起こしやすくなります。

また、絞り(F値)を絞って撮影したいときにも手ブレの可能性が高くなります。

ワンオペでのシズル撮影などがむずかしい

手持ちで料理のシズルを撮影するためには、サポートをしてくれるアシスタントなどが必要になります。

カメラをのぞきながら料理のシズルを作るのは難しいためです。

三脚を使って撮影をする場合のメリットとデメリット

三脚を使って撮影するメリット

1.撮影中の料理や画面構成に集中できる

三脚にカメラをセットして一度アングルやフレーミングが決まってしまえば、カメラ操作はシャッターを切るだけですむので、料理の状態や手直し、撮影中の画面構成などに集中して作業ができます。

さらにライブビューなどを組み合わせることで、完全にノーファインダーで画面構成などを行うことができます。

2.俯瞰撮影が安全で楽にできる

俯瞰撮影も三脚の位置が決まれば、カメラのファインダーをのぞく必要がないので、楽に安全に作業を進められます。

3.精密なライティングや仕掛けができる

カメラの位置が固定されていれば、精密なライティングや仕掛けを行うことができます。

4.手ブレが防げる

薄暗い環境での撮影や多重露光、長時間露光などの組み合わせが必要な撮影でも、手ブレせずに撮影ができます。

5.ワンオペでシズル撮影ができる

湯気の撮影、麺類の箸上げなどシズル撮影を行うときにも、リモコンシャッターなどを使えば、カメラ前にいる必要がないため、ワンオペでのシズル撮影も可能になります。

三脚を使って撮影するデメリット

1.三脚を立てるためのスペースが必要

手持ちのメリットでも触れましたが、三脚を立てるためには一定の広さが必要になります。

狭い撮影スペースでは三脚が使えないこともあります。

2.三脚の準備に時間がかかる

こちらも手持ちで触れましたが、三脚を立てて、カメラを乗せて、アングルやフレーミングを合わせるといった作業が必ず必要になるので、カットごとに場所やアングルを変えて撮影をしなければならない時には時間のロスが大きくなります。

そのため、アングルバリエーションなどを気軽に撮るのは難しくなります。

3.持ち運びに手間がかかる

三脚は機材の中でも比較的大きなものなので、持ち運ぶ際に荷物の量や重量が増え、手間がかかることがあります。

カメラの手持ち撮影が良いケースと三脚を使ったほうが良いケース

以上のメリットやデメリットを踏まえたうえで、それぞれに適したケースを考えてみましょう。

カメラの手持ち撮影が良いケース

カメラを手持ちする身軽さを生かした撮影が適しています。

スマートフォンでの撮影はほとんどの場合、手持ちが適しています。

35mmカメラを使って手持ちの撮影をする場合に手持ちが良いケースとしては、狭い場所、限られた時間、たくさんのカットやアングルが必要で、それほど精密なライティングなどが必要でないときに向いています。

また、いかにも広告撮影らしい写真ではなく、ライブ感のある写真が欲しい時などには手持ちの方が適していることがあります。

三脚を使った撮影が良いケース

三脚の持ち運びが苦にならない場合や広い場所での撮影では、三脚を使いやすいと言えます。

メニュー撮影などのように同じアングル、フレーミングで何品もの料理を撮影したい時、俯瞰撮影でたくさんの料理を撮りたい時などには、三脚を使った方が効率よく作業が進められます。

広告撮影のようにキレイなライティングや精密な仕掛けが必要な時や、手ブレの可能性のある光での撮影では、三脚の使用が適しています。

シズル撮影なども三脚を使えば一人で撮影できます。ライブビューの組み合わせで、画面構成もノーファインダーで行うことができます。

手持ちや三脚以外でカメラを保持するための方法は?

三脚を使えない環境での撮影でも手ブレが心配な場合などでは、一脚などを使って撮影を行うことで手持ちより撮影の安全性が高まります。

一脚は三脚ほど移動やセッティングも手間がかからないので、手持ちと三脚の中間的な使い方が可能です。

まとめ

三脚を使うか、使わないかは、ケースバイケースで選択する方が合理的です。

撮影で必要な条件、雰囲気、環境などを考慮して選ぶと良いと思います。

三脚を使いたいけれど使えないときなどには一脚を使うという手もあります。

広告やメニュー撮影といった比較的カッチリと撮影する必要があるときには三脚を使った方が効率が良くなりますし、品質も高くなります。

SNSや取材など、雰囲気やライブ感を重視したいときには手持ち撮影の方が良い写真が撮れることがあります。

今回は三脚を使うのか、使わないのかについて考えていきました。

次回は三脚の具体的な使用方法について解説していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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